万博に理念はあるのか。

万博まであと1年 あっという間に万博まであと1年となった。その間、先行して着工した大屋根リングやプロビューサーパビリオンなどの国内パビリオンは順調に建設が進む一方で、各国や団体が独自に建設するタイプAパビリオンの遅れはもはや誤魔化せないところ…

大阪・関西万博の海外パビリオン建設が遅れる理由

2025年4月13日から開催が予定されている2025年日本国際博覧会 (通称: 大阪・関西万博)については、特にコスト増や海外パビリオンの建設が遅れていることが大きく報道されている。 当ブログでは今までほとんど取り扱ってこなかったこの問題だが、取り上げ…

大阪IRを万博以前に開業することはできたのか?

課題山積の上での認可 少し前の話だが、大阪IRが国に認可された。開業時期は予定よりもさらに遅延し、2030年秋となった。広く報道されている通り、実施協定には事業者へと土地が正式に引き渡されるまで最大3年間、事業者の判断で契約を解除できる解除権が加…

統一地方選と大阪IR

維新の大勝と大阪IRの正式認定決定 4月9日に行われた統一地方選の大阪での結果は、維新の会の候補者が府知事、市長で圧倒的な得票数で当選、市議会も単独で過半数を占めるなど、維新の圧勝と呼べるものであった。 そして当ブログで追いかけてきた大阪IRにつ…

夢洲地盤問題と「カジノはIRの3%」について

今回は短く、大阪IR計画について最近よく聞く2つの問題に答える。 夢洲は軟弱地盤で、すぐに液状化する? →港湾局の見解では、IR建設予定地に特段の軟弱性はなく、高層ビルの建設は可能 過去に夢洲の土壌について調べが足りないまま軽率な発信をしてしまった…

都構想の住民投票」から2年ではない。「大阪市廃止」の住民投票から2年が経った

はじめに 2年前のこの日、大阪市では同市の今後に大きく関わる住民投票が行われていた。その名は「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」である。断じて、大阪都構想などの賛否を問う住民投票ではなかった。 ところが、世間一般ではこれが「大…

IR総括: 日本のIRが抱える根本的問題と大阪独自の問題について

過去3回に渡って、大阪IRの問題点を、事業者や大阪府市が提示した資料を元に指摘してきた。 swatcher-k.hatenablog.com swatcher-k.hatenablog.com swatcher-k.hatenablog.com 今回はそれらのまとめとして、どうしてこんな無理な計画になってしまったのかと…

大阪IRの試算根拠が滅茶苦茶過ぎて逆に笑えてきた (後編): 経済波及効果編

前回は日本総研のIR試算の内、来訪者の消費額について確認した。 日本総研が無理矢理事業者の主張する数字へと試算を込んだ結果、事業者が主張する数字が荒唐無稽であることがわかった。 swatcher-k.hatenablog.com 今回は、経済波及効果の試算を一つ一つ見…

大阪IRの試算根拠が滅茶苦茶過ぎて逆に笑えてきた (前編): 消費金額試算編

はじめに 以前の投稿で大阪IRの計画書の、特にカジノ関係の中身を見ていった。 swatcher-k.hatenablog.com 簡単に要点をまとめると、 IR施設への来場者は年間2,000万人、内カジノ施設を訪れるのは1,610万人 GGR (客の負け金額の総額)は4,933億円 (府市に入る…

夢洲カジノは世界に誇るIRか、それとも巨大なパチンコ屋か、計画書を読んで検証した

現在、大阪で特定複合観光施設 (いわゆるIR)の誘致が本格的に走り出そうとしている。設置運営事業予定者がMGM・オリックス コンソーシアムに決まり、その計画案が公開されたのである。 「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」(案) (…